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霞町物語 (講談社文庫)

商品情報

霞町物語 (講談社文庫)

霞町物語 (講談社文庫)

カスタマーの評価:5.0/5
  • 著:浅田 次郎
検索する >> 浅田 次郎
製造・発売:講談社
形態:文庫
総ページ数:275
発売日:2000-11
[ 和書 ]
定価:¥ 520
中古品最安値¥ 1 (計 12 件)
Amazon価格:¥ 520
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カスタマーレビュー

評価:5/52007-02-06  

少年・浅田次郎が見た昭和

バブル期や、高度経済成長手前の東京を舞台にした映画が作られているが、
この霞町物語も、昭和のある時期の東京の匂い(私自身は見たことも無いのに)を
リアルに、そして美しく描いている。
今で言う西麻布あたりの写真館の息子が主人公。高校生なんだけど、
ディスコに通い、カッコいい車やカワイイ女の子を追いかけてふらふらしてる。
そんな刹那的な青春をすごしながら、カメラマンの祖父や父が映し出す
東京の風景や、粋を知っている祖母に愛され、幸せに暮らしていた主人公。

「霞町」の地名とともに、当時の東京にあって今はもはや喪われている人や物を
優しく美しく哀切に描いた連作短編集。コミカルな人情物や壮大な歴史物が
多い浅田作品の中では異色かもしれないけど、傑作。

(1人中、1人の方が「このレビューは参考になった」と投票しています。)


評価:5/52006-07-27  

お勧め!

作者の若かりし頃をモデルにした(らしい)連作の短編集。
昭和40〜50年頃の東京近辺を舞台にした作品で、その頃を知る人には懐かしく感じることだろう。
浅田次郎氏の短編は完成度の高い作品が多いが、この短編集もとても良いのでお薦めだ。

評価:5/52006-04-24  

「僕の」目に映った美しい祖母の姿

初めて読む作家の短編集だ。著者の名前は知っていたが、ついぞ作品を読む機会がなかった。

 いま、小生は闘病生活中で、楽しみのひとつはラジオを聴くことだ。そのなかでも毎週日曜日の深夜にNHKラジオ第1放送で10時15分から始まる短編の朗読番組である「文芸館」が何よりも好きだ。
                                  
 アナウンサーの朗読の声が耳に心地よく響く。風景描写や登場人物の感情の起伏のそこかしこに入る音響効果が臨場感をかもし出す。

 この番組を聴いた途端に現物を読みたくなる衝動に駆られ、翌日には放送された作品を入手すべく手配する。そうして活字を読み再び感動に浸る。またアナウンサーの朗読の声が耳に蘇る。                           
 同作品は短編8話で、4話が青春時代の恋愛と4話が幼年から少年にかけての家族の思い出とからなっている。その後半の4話のひとつに祖母の思い出を扱った「ひな;雛のはな;花」がある。

 明治生まれの「僕」の祖母は生粋の江戸っ子で、あでやかで美しく、白黒をはっきりさせぬと気がすまぬ人であった。帰宅途中で立ち小便をした子供がいたとお節介な通行人から学校に通報があり、朝礼のあとで犯人捜しが始まる。校長の追求がことのほか厳しく長かったので、お手洗いに行きたくなって「僕がおしっこをしました」とえんざい;冤罪を買って出た。それを聞いた祖母は校長室に怒鳴り込みに行って、孫の無実を晴らす。

 祖母によく歌舞伎に連れていってもらった。とある日ある紳士と会場で出会う。はっきりとはせぬが祖母の恋人のようだ。芝居が跳ねてから、つれなく立ち去る祖母。その後姿を追う僕。

 掛け値なしに美しい祖母をこよなく慈しむ筆者。その筆には淀みがまったく感じられない感動の一遍だ。
                           
 NHKの同番組をお聴きすることをおすすめしたい。あなたも短編作品の虜になることは間違いない。

(7人中、7人の方が「このレビューは参考になった」と投票しています。)


評価:5/52005-01-12  

トーキョー・グラフィティ。

霞町というのは今はなくなってしまった東京の町の名前です。西麻布のあたりであったらしいのですが、この作品は霞町に代表される「東京」という故郷を偲んだ物語といえます。8編の連作短編集になっています。霞町に写真館を構える祖父、父と自分の3代を通して在りし日の霞町が語られてゆきます。歩いて六本木や赤坂に遊びに行けるような場所なのですが、今はもうそんな場所はなくなってしまいました。オーティス・レディングの時代の18歳の若者の物語と祖父・祖母「江戸っこ」気質のエピソードが加わり、情感豊かな作品になっていると思います。映画「アメリカン・グラフィティ」を連想してしまいました。これは、良い作品だと思います。消えてしまった故郷へのノスタルジーとともに祖父・祖母が代表する「故郷」への感謝の気持ちがこみ上げてきますし、懐かしき青春時代への追悼のような物語でもあります。解説を、この小説にも登場するパルスビートのDJが書いていて、これもよかったです。

(20人中、13人の方が「このレビューは参考になった」と投票しています。)


評価:5/52004-09-11  

豊かな青春

高度経済成長の只中にある日本。豊かさの恩恵を被る、主人公の高校生。周りから見ればただ享楽に耽っているように見えても、その楽しさが刹那である事を知っている。傍若無人のようでいて、さりげない気遣いを忘れない。戦争が終わってから20年以上経ち、時代と共に変わっていく街。人々の優しさに包まれ、大人に反感を覚えながら、少年は少しずつ大人になっていく。
かっこいい青春というのは、きっとこういう事を指すのだろう。舞台となった時代から30年以上経った今でも、眩く映る。それから世の中は随分と便利になった。けれども、便利さと豊かさとは違うのだ。霞町と呼ばれていた場所は、自分の職場から近い。今そこを訪れても、本に書かれているような光景は見られない。それでも映像を頭に思い浮かべると、懐かしい気分になる。自分もその時代を共に過ごしたような、そんな気分に。

(4人中、4人の方が「このレビューは参考になった」と投票しています。)

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