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弥勒 (講談社文庫)

商品情報

弥勒 (講談社文庫)

弥勒 (講談社文庫)

カスタマーの評価:4.5/5
  • 著:篠田 節子
検索する >> 篠田 節子
製造・発売:講談社
形態:文庫
総ページ数:662
発売日:2001-10
[ 和書 ]
定価:¥ 960
中古品最安値¥ 241 (計 8 件)
Amazon価格:¥ 960
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カスタマーレビュー

評価:5/52007-08-22  

軽く読み流さずに、どっしり構えてしっかり読みたい

大作。
こんなにいっぺんに、たくさんのことを語りかける作品は他にないんじゃないの、と思うくらい、さまざまなことを問うている。
美とは何か、宗教とは何か、政治とは、国とは、人間とは・・・。

なのに盛り込みすぎの感もなく、内容に破綻がない。
架空の国の物語なのに、絵空事の物語とは全く感じられず、強い吸引力で小説世界に引き込んでゆく。
主人公・永岡とパスキムという国が、どういった運命をたどるのか、追いかけずにはいられない。没頭してしまう。すごい。


美の鑑賞者であり賛美者である永岡。
培われた歴史と文化の中で生み出される奇跡のような美は、何よりも尊く、人の命を代償にしてでも守り抜かなければならない、と考える彼の価値観。

不遜ながらも高邁な彼の精神は、安全で豊かな暮らしを当然のこととして享受しうる基盤があるからこそのものだろう。

洗練された現代人であった永岡が、原始的な生活を強いられたとき、彼の心はどう変わるのか。変わらないのか。そしてもし、それが自分だったら?つきつけられる疑問は、難しく、怖い。


さらりと軽く楽しく読み流せる本ではないが、読み応えは満点。タイトルの堅さとページの厚さで、敬遠しないでほしい。

(3人中、3人の方が「このレビューは参考になった」と投票しています。)


評価:5/52007-07-29  

モデルは文化大革命ですね

これ、主要なモデルは文化大革命ですね。
ある日突然政変が起きて…という部分はポル・ポトでしょうか。
読んでいくうちにあちこちで「ああ、これはアレがモデルかな」ということが思い浮かぶのですが、
それで鼻白むということもなく、ぐいぐいと引き込まれていくのは作者の筆力というしかありません。

(1人中、1人の方が「このレビューは参考になった」と投票しています。)


評価:4/52006-11-21  

現実に行われていることがモデルなんですよ

読んでいて感じたことはこの作品が、架空のものだと思っている方が大いことです。もちろん、小説ではありますがこれと同じこと、あるいはもっと酷いことをまさにいま中国共産党がチベットで行っていることをほとんどの日本人が知らないことを驚くとともに、大手のマスコミの中共への偏向振り、隠蔽を改めて感じました。
この作品はとてもお勧めですが、同時にチベットの現状なども意識されるともっと深く読めると思います。ポルポトや毛沢東の残虐な行為はいまも共産主義の名の下に引き続き行われていることを改めて思い出す良質の作品です。

(6人中、3人の方が「このレビューは参考になった」と投票しています。)


評価:5/52006-08-06  

宇宙を背負う

本書を読むにあたり、連続した強い緊張を強いられる。到底、平常心では読めない。ヒマラヤの小国で永岡が体験した事は、人間の極限状況の連続だ。宗教を含むすべての文化を否定する、絵空事の様な革命思想、強制労働、強制結婚、女性への真の愛情、極度の飢餓、地雷による片足の爆失など、秘仏に対する妙な好奇心を出さなければ、体験する事が無かった事ばかりだ。永岡が強制労働のため、ストレス潰瘍で血反吐を吐くというくだりがあるが、彼が日本で体験したストレスなど、問題にならない。

革命家は、人々から信仰心を奪取する事は出来なかった。
信仰心を持たない永岡ですら、最後は無意識に祈った。
そして、背中にかついだ仏像に宇宙を感じる。
長大な時間と空間をイメージさせられる。

祈りとは?救いとは?慈悲とは?
こんな自問自答をせずにはいられない。

(13人中、12人の方が「このレビューは参考になった」と投票しています。)


評価:5/52006-04-24  

とにかくすごい

なにげに読んでみたら・・・やばかった。この作者何者?っていうくらいすごい濃く深い内容でした。舞台はネパールの辺りの架空の国、仏教云々の内容ではなく、政治的パニック小説に分類されるのかな?この作品で相当はまり、篠田節子はすべて読みました。残念ながらこれ以上の迫力のある作品には出会えませんでしたが、おそらく天理教の教祖中山みきのエピソードをモデルにしている「ゴサインタン」、これはけっこう深かった。おすすめです。

(9人中、8人の方が「このレビューは参考になった」と投票しています。)

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