デス・コレクターズ (文春文庫)
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カスタマーレビュー
評価:
2007-01-13
評価:
2007-01-02
評価:
2006-12-23
楽しく一気読み
「百番目の男」で膝の力が抜けるような衝撃を味わって以来、次回作を心待ちにしておりましたが
この「デス・コレクターズ」は、期待を裏切らない見事なエンターテインメント小説でした。
頼れる相棒、ツンデレ美女、猟奇的な連続殺人、そして危険ではあるけれども貴重な助言者でもある異常殺人者・・・
ハリウッド映画から取ってきたようなベタな設定ですが、そのお約束感が心地よいです。
残念ながら前作のようなアレなオチはありませんが、
犠牲者たちのもとに送りつけられたアートの断片からとんでもないものが現れたり、その謎解きで切ない真実が明らかになったりと
意外な展開満載で、一気読みするのにうってつけの一冊です。
サイコサスペンスと聞いて、怖い話かと躊躇する人もいるかもしれませんが、
陰惨な描写はなく、軽いユーモアの効いた文章ですので、
グロい話が苦手な方でも楽しめると思います。
欲を言えば、カバーデザインをもう少しセンス良くしていただきたかった。
アートがテーマでもあることですし。(4人中、4人の方が「このレビューは参考になった」と投票しています。)
評価:
「サイコサスペンス」と「謎解きパズラー」の両立
ジャック・カーリイは、デビュー作『百番目の男』が’05年、各種のミステリーベストテンの上位にランクインして話題を呼んだ。第二長編である本書は、サイコサスペンスと謎解きを見事に両立させており、ミステリーとしての完成度は『百番目の男』を上回っているといえよう。
主人公は、前作に続いて‘僕’ことアラバマ州モビール市警本部のカーソン・ライダーである。『百番目の男』の事件でようやく内外に認知された≪精神病理・社会病理捜査班≫の31才の若き刑事だ。
寂れたモーテルで女性の全裸死体が発見される。死体は拷問を受け、一度埋めて掘り返されてから、ろうそくと花で不気味に装飾されていた。のちに修道女と判明するこの殺人を、‘僕’と相棒のハリーは担当することになるのだが、30年以上前に裁判所で射殺されたシリアル・キラーのアートが事件解決の鍵だと知る。そこでシリアル・キラー(過去の有名な連続殺人犯たち)の「記念品コレクター」を調べることになるのだが・・・。
本書における事件の動機や背景の異常性は前作以上である。なにしろ「コレクター」の姿を詳述し、その価値観を読者に理解させない限り、本書の動機は説得力を持ち得ない。それほど異常なのである。加えて本書は、第一級の“サイコサスペンス”でありながら、読者を執拗に欺いてゆくとプロットの凝りようといい、意外で衝撃的な真犯人といい、“謎解きパズラー小説”の趣も兼ね備えている。身元不明者が何人も登場するが、その正体が判明するたびに、事件の輪郭がパズルのピースがはめ込まれるように浮かんでくる仕掛けになっている。
また本書は、多彩なキャラクターとさまざまなサブエピソードを持つ“エンターテインメント”であると同時に、カーソン刑事の‘僕’という一人称で語られる、屈折した若者の心情が率直に表現された“青春小説”でもある。
ジャック・カーリイは本書で更なる進化を遂げたのである。
(4人中、3人の方が「このレビューは参考になった」と投票しています。)
評価:
意外な犯人に「やられた!」
モビールを舞台にしたカーソンものの2作目。
相変わらずカーソンは多感で、軽薄で、困難な事件を名推理で解決に導きます。
どこか漂う青春小説の味わいは、本作も健在です。
前作は荒唐無稽なストーリーと個性的すぎるキャラクターが、
ややもするとミステリー小説としての説得力を損なう気配もありましたが、
本作はそのあたりがうまく修正されて、
技巧が向上しています。
現在と過去の連続殺人、カルト、ロマンス等、展開はスピーディーで、
カーソンへの感情移入も犯人探しのスリルも合格点。
面白い作品に仕上がっています。
本作の見所はこんなところ。
前作で恋人となったアヴァは去ってしまいますが、
新しいロマンスが描かれます。
フランスへ出張するのですが、
会話も含めて、なかなか美しい描写です。
アメリカ人のヨーロッパへの憧れがよく現れているようで・・・。
そして最後のストーリーの盛り上がりは、
よくできています。
意外な犯人に「やられた!」と思いました。
(2人中、2人の方が「このレビューは参考になった」と投票しています。)
