あああこがれのローレライ―ドイツ詩のなかの愛とエロス (ベスト新書)
商品情報
あああこがれのローレライ―ドイツ詩のなかの愛とエロス (ベスト新書)
- 著:檜山 哲彦
製造・発売:ベストセラーズ
このカテゴリから ベストセラーズ の製品を検索する形態:新書
総ページ数:101
発売日:2005-11
[ 和書 ]
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カスタマーレビュー
評価:
2005-11-28
現身×エロス≒詩
一頃ドイツ・リートに惹かれたのがきっかけで、本書で読まれている詩のいくつかに触れました。が、詩の前景を頻繁に構成する森、川、狩人、菩提樹、ナイチンゲールといった題材、プロメテウスやローレライの世界への飛躍などに「悩まされ」、旋律や和声を手がかりに親しもうと試みるも一知半解、どこかほろ苦さの伴う経験でした。
この本を読んで、そのような「一見牧歌的なもの」、「一見神話的なもの」を通して詩人たちが表現したものが、ひとの生身の愛憎が産み出す衝動、あるいは業といったものだったことが、よくわかりました。言葉の質感(生々しさ、思いやり、しばしば毒)への感度を高めるだけでなく、言葉の重ね合せが具体化する情緒の性格を読み解いていくためのヒントがたくさん、ちりばめられています。
やさしい言葉で書かれた小さな本ですが、ゲーテやハイネへの言及はもちろん、ヘルダーリンやリルケ、更にはブレヒトの皮肉たっぷりの詩情の解釈もあり、盛りだくさんな内容です。近現代における孤独の深まりや野蛮の台頭にもめげず模索し続ける詩魂のたくましさを知ると、ささやかな感動に体が包まれます。ドイツ・リートへの関心の有無に関わらず、この本はちょっとオススメです(特に第2、7〜10章)。ドイツ詩への、一冊の素敵な入門書です。
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